2022年度公開研究会 Open seminars of 2022

神奈川大学人間科学部学生とNPO田村明研究会のコラボレーション「横浜市の農地利用に関する現状と課題」Collaboration with the students of Kanagawa University and NPO Tamura on the research about the urban agriculture in Yokohama

 

 

2023313日(月)午後4時より6

神奈川大学みなとみらいキャンパス3015号教室

発表者:笹本明紀(4年生)、佐藤香波(3年生)、百々葵生(3年生)、楡井咲良(3年生)そして清水和明(神奈川大学人間科学部・特任助教)

参加者:25名(神奈川大学学生、都留文科大学学生、神奈川大学教員、横浜市農政部門職員、NPO会員)

  

久しぶりに、若者たちの熱気に満ちた公開研究会となった。神奈川大学で社会調査法を学ぶ学生たちが、横浜の都市農業に関心をもち調査研究を行った。その活動に対して、NPO田村明研究会の人的ネットワークを活用し、情報提供や研究への助言をしてくれる人材を紹介した。「なぜ都市化した横浜に、これほど農地が息づいているのか」という学生たちの素朴な疑問から始まった。文献資料を読み込み、関係者にヒアリングをし、現地を歩き回った。飛鳥田一雄市長と都市プランナー田村明が「都市農業」を構想してから60年が経っている。2015年に都市農業振興基本法ができて「農地は都市にあるべきもの」となったというが、あまりにも国の気付きは遅い。学生たちと清水先生の研究成果はまた別途、その詳細を掲載する。横浜の農地は、田村が1970年に果敢に設定した市街化調整区域で強く守られているが、それでも住宅建築や都市的土地利用で区域が蚕食されつつある。自治体施策の綻びも見られ、かつて田村が構想したように自治体の「総合的な施策展開」が求められる最後の段階に来ている、と感じる。(文責:田口俊夫)

For the first time in a long time, our open research meeting was filled with the enthusiasm of young people. Students studying social research methods at Kanagawa University were interested in urban agriculture in Yokohama and conducted research. The NPO Akira Tamura utilized its human resource network to introduce people who could provide information and advice on their research. The project began with a simple question from the students: 'Why is there so much agricultural land in urbanized Yokohama? They read literature, interviewed relevant people and walked around the city. It has been 60 years since Mayor Ichio Asukata and urban planner Akira Tamura conceived the idea of “urban agriculture,” and although the Basic Law for the Promotion of Urban Agriculture was passed in 2015 and “agricultural land should be in cities,” the state is too slow to realize this importance. The research findings of the students and Dr. Kazuaki Shimizu of Kanagawa University will be published soon in more detail on our website. Farmland in Yokohama is strongly protected by the Urbanization Control Zone, which Tamura boldly established in 1970, but even so the zone is being evaded by housing construction and urban land use. There are signs of an inconsistency in local government policies, and I feel that we are now at the final stage where the local government is required to “develop comprehensive policies,” as Tamura once envisaged. (Responsibility: Toshio Taguchi)

NPO公開研究会 都市科学研究室とは何だったのか What was the Yokohama Urban Science Laboratory?

2022年10月12日(水)午後3時より

なか区民活動センター

企画調整研究会+岡村駿

参加者:9名

 

久しぶりの対面形式でNPO公開研究会を開催しました。会場は「なか区民活動センター研修室」で、参加者は9名でした。これまで、元横浜市都市科学研究室の岡村駿さんに対するヒアリングを計4回実施しました。そして、それ以前の都市科学研究室関係の中川久美子さん、横山悠さんへのヒアリング結果を総合化して、松本得三が室長を務めた都市科学研修室とは何だったのか、を問いかけました。我々は松本得三の都市科学研究室が、田村明と鳴海正泰という三人による「企画調整三角構造」の重要な一角を占めることを認識しています。その詳細な解明はまだ緒についたばかりです。以下は、当NPO理事で企画調整研究会メンバーの檜槇貢氏のブログから転載した、当日の会合の様子です。

 

「個人に着眼し一人称で語れる政策を進めるべきだ」

生活現場にこだわって市民生活白書を書くことを求めた松本得三さんの姿勢だった。

その答えは参加と協働だが、依然として一人称で語られていない。

  

朝日新聞の記者だった松本得三さんが横浜市に入ったのは1969年12月。

約半年が経って、7月に都市科学研究室長になった。

翌年1月には「市民生活白書(横浜と私)を編集し刊行した。

調査季報の29号から46号までを編集。

1974年12月には「市民生活白書(私の横浜)を編集・刊行。

1976年1月に横浜市を退職し、相模原市長選挙に出て、敗れている。

松本得三さんは7年の横浜市役所人生を過ごした。

 

10月12日(水)15時から2時間半。

NPO法人田村明研究会は「科学的行政と都市科学研究室」をテーマに研究会を行った。

研究会に参加した私は、「自治体政策装置としての『番外地』」を寄せた。

松本得三さんが研究室長を務めた都市科学研究室の役割のこと。

自治体の政策形成の装置だが、自治体官僚制とは「異なる居場所」と説明。

「番外地」だったと言った。

これは私の言葉ではなく、岡村駿さんがインタビューで発した表現である。

  

研究会の議論は行政のスタイルを超えたところに広がった。

その行く先は「市民とその生活現場」だった。

45年も経っているのに、それが現代に引き継がれている気がしない。

 

行政は3人称で語っている。

特定できない「彼ら」の問題を解決しようとする。

そのために施策や事業はだいたい外れていて、成果を出しえていない。

「私は」「俺は」「私たち」はどうするのか。

責任の伴う一人称は使うことができていない。

  

現場や対象者に接近せよ。

そうしないと、地域社会での問題への処方箋をつくれない。

2回の市民生活白書はそんなアプローチを見せようとしたものだ。

問題の構造や答えなんか、すぐに出せるはずがない。

そんな現状認識と行政批判に貫かれている。

 

地域づくりは一人称であるべきではないか。

参加と協働によって政策展開は市民の生活現場で展開されるはずだから。

その意図するとこを理解し得ているのか、心許ない。

  

このアプローチは人口減少過程で地域社会がシュリンクする現代。

あらためて問いかけ、答えを出す必要があるのではないか。

研究会終了後の横浜中華街でのビールと肴。

酔いを道連れに議論を覚まさせる。

NPO総会記念講演会 NPO yearly assembly and commemorative lecture by Kazunari Doi

2022年5月27日(金)午後5時30分より

なか区民活動センター

土井一成氏「公民連携とまちづくりの可能性」

参加者:12名(内リモート1名)講師を除く

 

2022年5月27日(金)午後5時30分よりNPOの年次総会が開催されました。正会員の過半の参加又は委任により総会が成立し、2021年度決算について審議しました。監事より監査報告があり、異論なく承認されました。2021年度はコロナ禍により対面での活動が大幅に制限された年でしたが、NPO設立五周年記念誌の発行やその他の研究活動は活発で、充実した年ともいえます。会員の皆さまのご理解ご協力、ありがとうございました。

 

当日は総会記念講演として土井一成さん(NPO法人アーバンデザイン研究体副理事長、元横浜市職員)による講演「公民連携とまちづくりの可能性」が行われました。土井さんの市役所時代の経験に元に新たな知見も加え、公民がいかに連携してまちづくりを進められるか、を熱心に語っていただきました。講演録は後日アップします。

講演項目:

1.自著「まちづくり主義のススメ」について

2.横浜の都市形成ソフトと6大事業

3.大都市における自治の形

4.新たな公民連携の広がり

5.  まちづくりの可能性を拓く

NPO公開研究会

2022425日(月)午後6時より8時  April 25, 2022

なか区民活動センター研修室2

南学氏『公共施設マネジメント-拡充から縮充へ』Manabu Minami, ”Management of Public Facilities: Down-sizing from expansion”

参加者 7名(講師含む)

 

全国の自治体で、その公共施設が適切にマネジメントされていない、という現実を学ぶことになった。これまで多くの「不要不急の施設」が作られ、ほとんど使われず、毎年膨大な税金がその維持管理に使われてきた。衝撃的なのは「適切に維持管理」されず放置された施設があまりにも多いのである。それを管理する人員も予算もないのが現実という。果たして「未来」は全く暗いのか、どうにかして明るく出来るのか、南氏は全国の自治体を駆けめくり「公共施設マネジメント」の必要性を説いている。

 
Manabu Minami addressed that public facilities built by municipalities across the country are not properly managed nor maintained. Many non-essential and non-urgent facilities have been built for decades, are rarely used and huge amounts of taxpayers' money are spent each year on their maintenance and management. What is shocking is the sheer number of facilities that have been neglected and not properly maintained. The reality is that there is neither the manpower nor the budget to manage them. Minami travels to municipalities across the country to find out whether the future is bleak or whether it can be brightened somehow, and explains the need for public facilities management.

当日の配布資料です
南学講演資料_20220430_0001.pdf
PDFファイル 1.6 MB