田村塾と歩んだ15年・真矢正弘講師

定例公開研究会

2017年10月13日(金)午後6時から8時

横浜市市民活動支援センター4階セミナルーム2号

参加者12名

真矢正弘氏の講演は、地域で長年に亘りまちづくり活動を実践しながら、広く市民ネットワークを「定期講座」の開設で構築しようとした市民活動家の15年間の記録といえる。都市プランナー田村明の名を冠した「田村塾」として知られる横浜のまちづくり講座は、2001年4月開講の「実践まちづくり塾」(横浜市政調査会主催)、2007年4月開講の「横浜まちづくり塾」(自主講座)の2期にわたる連続講座として開かれた。2009年12月17日の田村明による最終講義を経て、翌年2010年1月25日に田村明は伊豆で亡くなる。その後も真矢氏を中心とする世話人3名によって毎月1回、多彩な講師を招いて2016年7月まで開催された。ただし、この会には前身がある、世話人の一人である小林明仁氏が市職員の立場で、田村明が横浜のまちづくりを総合的に語る場として企画運営した市教育委員会主催の「よこはま市民カレッジ」(2000年5月から2001年3月)である。「田村塾」は市・県の職員や市民、学生が自由に参加し、田村明の話を聞き、自分の意見を述べることができた。田村明が横浜市在職中に「語りきれなかったもの」を語った、といわれる。

今回の講演の詳細は、テープ起こしが完了した後で真矢氏の校正を経て、当HPに掲載される予定だが、田村明を囲む市民的厚みを知るに最適なものといえる。真矢氏自身は飛鳥田市長再選、美濃部都政誕生の年に大学を出て編集者となったが、徳間書店時代の1972年1月、横浜市役所企画調整室の田村明の部下であった推理作家の斎藤栄に原稿をもらいに来ているという奇縁も。横浜市南部の栄区に住み今も住民活動をしている。まったくの無償の活動で市民が支えたのが「横浜まちづくり塾」である。駆け出し編集者の頃、政治学者の松下圭一氏に薫陶を受け親交が深かった真矢氏にとって、もっと若い市職員や市民が参加してくれることで、横に更に広げた語りの場にしたかったという。長年の活動、ご苦労様でした。

横浜まちづくり塾の歩み.pdf
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実践まちづくり塾の歩み.pdf
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