Explore footprints of Akira Tamura, evangelist of Machi-zukuri, around Japan and a Meeting with a Machi-zukuri group of Himeji まちづくり伝道師田村明の足跡を訪ねて:姫路まちづくりグループ訪問記

Since 1977, a machi-zukuri group called “ the society of city and administration” has been a voluntary place where young city workers of Himeji city gathered and learnt town-making and positive stance of city administrator. Akira Tamura, renowned city planner, had often visited this group and talked with them. Mr. Motohiro Miki was also a member of this group and escorted Tamura often around Himeji and other towns nearby. This time from the 17th until 18th of October, 2018, Toshio Taguchi, vice-president of our NPO, visited Mr. Miki and other members in Himeji.

 

1977年に始まった「都市と行政の会」という姫路市職員による自主勉強会に、1975年に市役所に入った三木基弘氏も参加した。改革意欲に満ちた若者たちの勉強会だったのだろうか、自治体学会の発足案内で神戸に来た田村明(以下「田村」という)に勉強会のメンバーがお願いして、姫路にも寄ってもらうことになった。田村とは、それ以来のお付き合いである。田村が姫路市に公式に招かれ講演したのはわずか1回だが、中国地方に寄ると必ず、三木氏に電話が入り、勉強会メンバーとの宴会となったという。その宴会で若者たちは田村から、まちづくりへの姿勢を学んだ。因みに、三木氏は当NPOの賛助会員でもある。

 

姫路市は大都会である、人口53万人で2006年に市域が周辺町や島を含め大幅に拡張した。その姫路に、島根県奥出雲町からローカル線に乗り、島根広島の県境を越え、中国山地の間を走るローカル線で新見、津山を通過しやっと到着した。新見で泊まり、津山のお城の廻りを散策し、次の電車まで1時間から3時間待ち、ローカルに住むことの時間の過ごし方を少し学んだ。この地方中核都市の姫路も大阪への通勤圏で、片道1時間ぐらいで通えるようだ。

        

田村でなく田口が訪れるだけなのだが、かつての勉強会メンバー5名が集まってくれた。感謝感激であった。いまは姫路城を守る会に属する福井孝幹氏、姫路市の公民館長である筒井康行氏、地元の老人倶楽部のお世話をしている勢田一則氏、元々那覇市の都市デザイン担当で今は姫路の日本工科大学校理事長をしている中農一也氏、そして三木氏である。田口から、当NPOのパンフレットをお渡ししながら、NPOの目的や活動状況をご説明した。姫路市のまちづくりと役所の係わりについて興味深い話があり、姫路城が1993年世界文化遺産になり喜ばしい限りだが、城下町の歴史的価値をまちづくりに生かすことがまだ出来ていなく、姫路城の学術的調査もまだこれからであるようだ。

 

翌日に駅の南側に移転した市庁舎を見学し、そして再び駅の北側のお城周辺の公園内にある市立図書館を訪れた。丁度閉館日だったが、かつての勤務先である三木氏の案内で、姫路市立城郭研究室の学芸員、市史編集室の室長、そしてかつての勉強会のメンバーである図書館の館長さんにもご挨拶できた。城郭研究室をはじめ市史編集室も、注目度は低いかもしれないが、地道に成果を積み上げつつある様子が垣間見えた。

 

お城の脇にあるかつての赤煉瓦の市庁舎(明治時代の軍の武器弾薬庫)を通り過ぎながら、お城を見上げ、圧倒的な数の国内外からの観光客に囲まれる様子を体験した。お城から駅に通じる大通りは、所謂都市デザイン的まちづくりがなされ、駅前にも新たな商業ビルが建ち、大都会の雰囲気を感じた。しかし、かつての歴史をどう新たなまちづくりに生かすのかは、まだ見えない様子であった。

 

姫路市役所の勉強会の若者たちは停年を迎えたが、まだまだ地元姫路を愛し、ご意見番として活躍していく気力に満ちていた。頑張って欲しい、そして楽しんで欲しい。

 

以下の写真は、JR姫新線(きしんせん)で新見から津山を通り姫路に到達するローカル線の旅と、姫路のまちづくりグループの方々との交流会、そして姫路のまち並みです。

(文責:田口俊夫)