A Family History by Chihiro Tamura 田村千尋による田村家の歴史(英語版)

田村家の家族達を纏めた。今回は著者、千尋から見た母親、忠子と子供達、忠幸、義也像そして、自分千尋の半生である。忠幸のことはもう少し彼の仕事ぶりも書きたかったが残念ながらそのような資料がない。しかし、我らの祖父、吉田亀太郎を930ページに及ぶ大作の「吉田亀太郎追憶集」を纏めた。彼の心の奥にある家族への思いを記録したかった。義也は岩波書店での編集者としての立場を貫き、また。田村明の最大の理解者だった事を記したい。退職後も装丁者、田村義也として1400冊の本の表紙を飾り、中に書かれた内容に相応しい装丁を義也流に作り続けた。その半生は日本の文人達との交流で磨かれ、自らの唯一の著書、「のの字物語」に結晶化されている。しかし、学徒動員や特攻船舶要員だったこと、兵役での日記と自ら創刊した「家庭新聞」の文面から苦悩と生きることの意味を探る彼の意志が綴られていたことは、忘れそうになる戦争体験とくみあわせ、どうしても残しておきたかった。この際、千尋、自分のことも書くべき、と考え、多少、書きすぎたかもしれないが英語の世界に入り込んで主張的に纏める唯一の機会として化学者だった自分を残した。