大阪地下鉄御堂筋線と横浜みなとみらい線における受益者負担制度 The Beneficiary Charge System both of Osaka Midosuji subway and Yokohama Minatomirai line
1930年大阪市は初の地下鉄となる御堂筋線建設に際して、沿線地権者から建設負担金(受益者負担金)を徴収した。同様に、1990年横浜市は、みなとみらい開発に際して建設したみなとみらい線の受益者負担金制度を開始した。御堂筋線の制度は戦前から戦争中そして戦後まで、困難な状況下で負担金の徴収業務が継続された。当時の関係文書が大阪市公文書館で保存されており、それらを元に当該制度の構築と運用そして停止までを追ってみた。当時の世界的観点でも斬新な手法であった。また、横浜の事例は負担区域が開発地区内に限定されたが、負担制度構築の意義は高い。以上について、当NPO会員の田口俊夫が日本建築学会2020年度大会(関東)で発表する予定で、「学術講演梗概集」に掲載されたものです。
太田浩雄氏「横浜の鉄道」講演録
横浜市の鉄道事業専門家の太田浩雄さんの講演内容は、内容の豊富さと迫力で圧倒された。これまで知っているようで知らなかった横浜市の地下鉄からみなとみらい線に至る、鉄道事業の計画と実践の「現場の凄さ」を感じた。一つはっきりしていることは、計画者の大胆な発意がなければ(例えば、みなとみらい線の駅舎で深く広く掘り大空間を確保すること)、大胆な駅舎デザインや都市デザインも成立しなかった、といえる。「鉄道版田村明」を彷彿とする人物であった。(田口)