神奈川大学人間科学部学生による社会調査との協働作業の成果発表

神奈川大学人間科学部学生とNPO田村明研究会のコラボレーション「横浜市の農地利用に関する現状と課題」Collaboration with the students of Kanagawa University and NPO Tamura on the research about the urban agriculture in Yokohama

 

2023年3月13日(月)午後4時より6時

神奈川大学みなとみらいキャンパス3015号教室

発表者:笹本明紀(4年生)、佐藤香波(3年生)、百々葵生(3年生)、楡井咲良(3年生)そして清水和明(神奈川大学人間科学部・特任助教)

参加者:25名(神奈川大学学生、都留文科大学学生、神奈川大学教員、横浜市農政部門職員、NPO会員)

 

久しぶりに、若者たちの熱気に満ちた公開研究会となった。神奈川大学で社会調査法を学ぶ学生たちが、横浜の都市農業に関心をもち調査研究を行った。その活動に対して、NPO田村明研究会の人的ネットワークを活用し、情報提供や研究への助言をしてくれる人材を紹介した。「なぜ都市化した横浜に、これほど農地が息づいているのか」という学生たちの素朴な疑問から始まった。文献資料を読み込み、関係者にヒアリングをし、現地を歩き回った。飛鳥田一雄市長と都市プランナー田村明が「都市農業」を構想してから60年が経っている。2015年に都市農業振興基本法ができて「農地は都市にあるべきもの」となったというが、あまりにも国の気付きは遅い。学生たちと清水先生の研究成果はまた別途、その詳細を掲載する。横浜の農地は、田村が1970年に果敢に設定した市街化調整区域で強く守られているが、それでも住宅建築や都市的土地利用で区域が蚕食されつつある。自治体施策の綻びも見られ、かつて田村が構想したように自治体の「総合的な施策展開」が求められる最後の段階に来ている、と感じる。(文責:田口俊夫)

For the first time in a long time, our open research meeting was filled with the enthusiasm of young people. Students studying social research methods at Kanagawa University were interested in urban agriculture in Yokohama and conducted research. The NPO Akira Tamura utilized its human resource network to introduce people who could provide information and advice on their research. The project began with a simple question from the students: 'Why is there so much agricultural land in urbanized Yokohama? They read literature, interviewed relevant people and walked around the city. It has been 60 years since Mayor Ichio Asukata and urban planner Akira Tamura conceived the idea of “urban agriculture,” and although the Basic Law for the Promotion of Urban Agriculture was passed in 2015 and “agricultural land should be in cities,” the state is too slow to realize this importance. The research findings of the students and Dr. Kazuaki Shimizu of Kanagawa University will be published soon in more detail on our website. Farmland in Yokohama is strongly protected by the Urbanization Control Zone, which Tamura boldly established in 1970, but even so the zone is being evaded by housing construction and urban land use. There are signs of an inconsistency in local government policies, and I feel that we are now at the final stage where the local government is required to “develop comprehensive policies,” as Tamura once envisaged. (Responsibility: Toshio Taguchi)

【公開用】230313_NPO公開研究会発表スライド.pdf
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【公開用】230313_地理学の視点から見た横浜農業.pdf
PDFファイル 9.2 MB
【公開用】横浜市の農地利用に関する現状と課題(別刷り).pdf
PDFファイル 2.2 MB
【公開用】地理学の視点から見た横浜農業の特徴とその持続性(発表要旨).pdf
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港北ニュータウン地域内の農業対策関係方針決裁書

農業振興地域の指定、港北ニュータウン地域内の農業対策、そして港北ニュータウン農業専用地区の指定について横浜市の方針決裁書です。情報開示請求によって開示されました。

農業振興地域の指定について(方針決裁書)_20230331_0001.pdf
PDFファイル 1.8 MB
港北ニュータウン地域内の農業対策について(方針決裁書)_20230331_000
PDFファイル 11.0 MB
港北ニュータウン農業専用地区設定(指定)に対する協議について(方針決裁書)_20
PDFファイル 1.2 MB
港北ニュータウン内の農業専用地区の指定
港北ニュータウン内の農業専用地区の指定
港北ニュータウンの農業的土地利用に関する当初計画と今日の状況(1997)
東京都立大学工学部建築学科・青木隆道さんによる研究論文です。港北ニュータウンは都市農業と都市生活が共生するマチです。その当初の都市農業計画に関する研究論文は例がなく、青木さんによる論文のみが深く研究しています。貴重な研究論文ですので、当NPOとして勝手ながら掲載させていただきます。なお現在、著者に承諾を求める連絡中です。
港北ニュータウン農業用地研究論文.pdf
PDFファイル 19.0 MB
緑農住区開発計画調査報告書(1971)
横浜のまちづくりで都市農業の振興はおおきな柱の一つです。市内のモデル地区を対象に都市農業と住宅開発をどう共生させるかを検討しています。その中で、特に港北ニュータウン地区での大高建築設計事務所による検討結果を掲載します。
緑農住区開発計画調査報告書1971.pdf
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都市農業講演記録・平山実氏『横浜都市農業の現状と未来』 2019年9月19日(木)午後6時 “Urban Agriculture of Yokohama, its now and future” by Minoru Hirayama

横浜の都市農業は、1968年の飛鳥田市長と田村明による港北ニュータウン開発地内での、農地の集約換地によって始まっている。そして、いまや横浜市全体を「横浜農場」と位置付けるほどに成長そして定着した。国土交通省(旧建設省)も市街化区域内で「農地を不可欠のもの」と位置付けた法律を制定したように、社会は都市と農業の共存をつよく意識している。少子高齢化社会で、都市農業を再度どう位置付け、戦略的に都市を整序していくかが問われている。
NPO研究会平山実氏講演会.pdf
PDFファイル 376.5 KB
平山氏からの配布資料で、横浜市資料の転載です。
★横浜市の農業 R1.9.19.pdf
PDFファイル 5.0 MB

都市農業に関する横浜市行政文書 Public documents by the City of Yokohama regarding Urban Agriculture

飛鳥田市長と田村明による「横浜都市農業」政策の基本方針を決めた報告書です。横浜の都市農業は意図的に都市づくり戦略の中で、農地を位置づけ意図的に残したものです。他の都市のように、結果として農地が都市内に残ったケースとは異なります。

These are basic policy papers for initiating the Urban Agriculture Plan by the then mayor Asukata and chief planner Tamurasince 1968. As far as the case of Yokohama urban agriculture is concerned, farmland in Yokohama has been intentionally preserved according to the strategy of city planning concept by Tamura.

都市農業問題に関する研究 The first report of urban agriculture of Yokohama
横浜の都市農業に関する最初の報告書です。研究者たちがそれぞれの立場で「都市農業」の在り方について語っています。
都市農業問題に関する研究1968年7月.pdf
PDFファイル 3.9 MB
都市農業の計画 The first planning report of urban agriculture to be applied to the Kohoku New Town
都市農業を現実に適用するために、港北ニュータウンでの活用を検討しています。詳細な農家の状況調査を踏まえ、都市農業を積極的に推進する体制がみえます。
都市農業の計画昭和43年度報告.pdf
PDFファイル 10.0 MB
横浜市農業総合計画書 The Comprehensive Plan of Yokohama Urban Agriculture 1971
新都市計画法1968による区域区分(市街化区域と市街化調整区域の指定)が1970年に指定され、都市農業に関わる環境はおおきく動きました。それを受けて、農業専用地区の拡大を含む総合的な農業戦略を、横浜市が1971年3月に立案しました。
横浜市農業総合計画書.pdf
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市街化前線における農家の土地感 A report of farmers perception on the edge of urbanization in a suburb of Yokohama 1976
都市化が進む中で都市農業を守る戸塚区田谷地区のそれぞれの農家が、自分たちの土地に対して有する価値観を聞き取り調査した報告書です。1971年3月、横浜市から委託を受けた都市農業問題研究会(渡辺兵力)が実施した。
市街化前線における農家の土地感.pdf
PDFファイル 23.4 MB
横浜北農業新聞 Newspaper of the Yokohama North Farmers Cooperative
1970年の都市計画法による区域区分指定に際して、横浜北農業協同組合(横浜市港北区・緑区)に属する農家の意向や関心事が記載されています。
横浜北農協新聞.pdf
PDFファイル 16.4 MB

田村明による都市農業に関する講演記録 A talk addressed by Akira Tamura regarding how to initiate the urban agriculture policy of Yokohama

田村明都市農業に関する講演.pdf
PDFファイル 11.4 MB

都市農業についての学術論文 Master thesis about urban agriculture of Kohoku New Town development by Fumie Harada

原田文恵さんによる東京大学大学院での修士論文『港北ニュータウン計画における農的土地利用に関する研究』を、ご本人の了解を得てリンクさせていただきます。是非ご覧ください。なお、原田さんは横浜市職員で、休職されて大学院で学ばれ、再び市役所に復帰されています。

東京大学学術機関リポジトリhttp://hdl.handle.net/2261/00076802